君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
 ― 数日後 ― 


「隆志くーん。」


かん高い声に呼び止められ、振り返った。

「あ、こんにちは。」

その正体は、みっこの母親だ。


「あら、パチンコ?」

「違いますよ!前を通っただけです。」


みっこの口調は、完全に母親ゆずりだ。


「でも不思議ねー。いつも一緒だったのに、たーくん以外の男の子が迎えにくるなんてね〜。」

「今日も海ですか?」

「そう!なんか、夏には自分も始めるとか言っててさ〜」

「えー!それは心配ですねぇ。」

「でしょ!なんとか言ってやって〜。たーくんの言うことなら聞くんだから、あの娘。」


みっこと寺岡慶太は、
年が明けて、めでたく復活を遂げた。

その仲をとりもったのは、この俺だった。


あのあと、
寺岡くんからの、クドイほどの、みっこへのラブコールを、
なぜか俺が散々聞かされたのち、
今に至というワケだ。


それからの三人は、不思議な関係だ。

恭一との三人とは違って、気が楽なのだ。


「頼むよ隆志!あいつ、お前の言うことなら、聞くと思うんだよ〜」

「また〜?まあ、イイですけど…」


うん。上手くいってる!
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