君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「痛っ!」

デコピンをされた私は

「これでも食らえ!」と

手にすくった水を掛け返した。


「うわっ!やめっ」

「お返しだよ〜ん!」


こんな、たわいのないやりとりが、気分転換になっていた。

というのも、恭一は今、
個人スプリントとリレー(4継)と幅跳びの練習に余念がなく…

今は帰りも明かるいため
しばらくは、別々の帰宅も我慢するしかない。


バスケ部の女子で帰宅中、
夏祭りに行こうと話になり、

着替えに帰り、待ち合わせ場所に着くと、
少し離れた所に、男子バスケ部を数人見つけた。

「あれ?」

「なんかさ、バスケ部って男女仲良しなんだって、思われそうだよね?」

「ホント。…偶然?」

「まさか!キャプテン同士がデキてると、こうゆうことになるわけ…」

「え〜!」

「シーっ!」

「…そうなの?」

「そう。私達は利用されたってワケ。」

「なるほど…」

「ところでさ、園田は来るかな?」

「さ〜ね〜?どーかなぁ…あれ?そーゆーコト?」

「ち、違うよ!!」

「違うって何が?あたしまだ、何も言ってないけど。」

「だって!…園田とみっちゃん、いつも一緒なのに、どうしたのかなぁって」

「変なこと言わないでよ〜。(そんな風に思われてるなんて、良くないな…それにしても隆志はモテるんだー。)」
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