片恋の蒼

短距離


「内宮君」

屋上に登って声をかける。
内宮君はやっぱり完璧な笑顔を浮かべて私を呼ぶ。


「長田さん」


それに寄せられて恐れ多くも隣に座る。

「また来たね」

内宮君は笑って私を眺めた。
私は恥ずかしくって俯きがちになる。
だって、隣には王子様。



「迷惑、だった?」

「楽しいからいいよ」

目を細めて私の頭をあやすみたいに撫でた。


夕日とか全部が内宮君を魅せる道具なんだ。
もう目が離せない。



そのくらい、綺麗。





< 7 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop