満月の日
ガンマがそう考えていると、森の隙間から一筋の光が差し込んだ。




何かと思い、上を見上げる。




そこには銀の満月が輝いていた。




「満月…。」




ガンマは呟いて空を見上げる。




次の瞬間、彼の体に異変が起きた。




何と、小さかったガンマの体が服ごと大きくなったのだ。




そして、子供がいた場所に一人の青年が立っていた。




サラリと流れる長い黒髪、風でなびく青のマント…。




閉じられていた茶色の瞳はしっかりと前を見た。




この青年こそが、本来のガンマの姿である。




彼は初め、一体何が起こったのか分からなかったが、両手を見てピンときた。




どうやら、満月の光を浴びると魔法が解けるようだ。




ガンマがそう思っていると、遠くから少女と青年の悲鳴が聞こえた。
< 17 / 226 >

この作品をシェア

pagetop