月夜の散歩
出会って間もない冬夜と口付けを交わした


今までのあたしならまず有り得ない話し…


告白なら何度かされた…でも心が動かなかった…少しも


なのに冬夜に出会い心が反応したこの人に愛して欲しい…愛したいと…


なのにあたしの闇はそれを許さない


『愛されてはいけない』


『愛してはいけない』


あたしの心を包んで隠してしまう


月を隠す黒い雲のように…



──月夜は闇夜へ…



一筋の光明は闇によって消されてしまう


お前の心など照らしてやるものかと…
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