はちみつに願い事
夜。
お店をしめて、閉店作業を進める。
「ねぇ、健留」
「はい?」
含みのある表情で、店長が声をかける。
「教えなよ」
「…え?」
「噂の彼女について」
「えっ健留さん、彼女いたんですか!!」
他の従業員たちが一斉にふりむく。
「…え、まってまって。俺彼女いないですって」
「朝のラブコールだれ」
「だから、世話のかかる、妹みたいな奴なんですって」
「ロリコン…?」
「なんでそうなる」
「え、かわいいですか?」
「何歳なんですか?」
「家近いんですか?」
バイト達がいっぺんに質問する。
「わー!わっかりました!説明しますって!」
その言葉を待っていたかのように、聞く体勢に早変わりする。