Time is gone
 だがトシは時と共に働くなり、それに比例するように、その輝きは失せていった。いや、最初からそんなものは無かったのだ。トシの後ろで輝いていたのは、過去の私だった。夢を追い、必死に生きていた頃の私。同じような夢を追うトシに対し、昔の私を重ねていただけだった。そのことに気付いてからは、トシへの愛情が幻想でしかなかったことに気付いてしまった。そしてトシが働かなくなってしまったのも、私のせいだと。私が彼を王子様だと信じ、甘やかしてしまったからこそ、彼はそれに甘え、働かなくなったのだと。
 トシを裸の王様にしてしまったのは、私だ。
 私は過去を払拭し、私自信がもう一度輝かなくてはならない。そして今度こそは、本物の王子様に……。
 私は祈るようにして、リューズを回し続けた。
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