くじら

*幸せになって。







「…きみは自分の名前が好きですか?」




名前…?






―瑠璃子





―とても綺麗な青色よ





母様に聞いたらそう言っていたわ…


青は海のいろだわ



「…好きです。先生」




「そうですか。」



くじら…。




深い海の中にいる大きな魚









先生は地面に座った



「すいません、あまり会話らしい会話出来なくて…」




「…謝ることないですよ、先生」



私も汚れる覚悟で地面に座った。




下品かもしれないけど仕方ない、





「澄さんを諦めてから、色々な事に興味がなくなったんです。…、全部つまらなくなって。何をしても満たされなくて……」






先生はふっと息をはいた

私は先生の手に触れた




冷たい…手





満たされない。





「ずっと…ですか?いままで」





「…最近まで、ね。」





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