くじら
























「探せっ…」




誰か人の声がする
わたしと先生は草むらに隠れていた








「……」


「大丈夫です…彼が来てくれます」




彼?










「君の知ってる人だよ…」





ガコッと音がした。
近くの地面がカポッとあく




「は…ぐ、」

先生がわたしの口を手でふさぐ


「ふぇんふぇい(先生)…」


中から顔が見えた

「早く中へ…」

先生はわたしを穴?らしきとこに入れた



中の誰かがわたしに手を伸ばした



「…?」



穴には途中から階段があり
わたしは伸ばされた手を握り階段を降りた










わたしが降りたあと先生は
さっと降りふたらしきものを閉めた





「…久しぶりですね、瑠璃子さん。お元気そうでなによりです」




ボッと火がつく音がした


「え…」




「先生、紹介していないのですか…」



ランプは彼を照らしていた


懐かしい顔…







榊旺志郎様
使用人の格好をしていた


「なぜ…、」



「彼の家は僕が没落させました、…けど君が心を悩ませているのを見て僕は…完全には没落はさせなかったんです」



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