くじら
先生






「…、だから君の言う事も信じれません。君も離れていくと僕は思ってるから、」



淡々と話す先生は
感情がないみたいだった



雨の音が耳に響く…






「わたしは、離れません。……」





「絶対に?」







笑ってるか泣くか
曖昧な笑い顔だった







ガバッと 私は
先生の背に抱き付いた




はしたないけど






ただこれしか 出来なかった。




あたたかい。




「―好きです。先生…」





信じれないなら
これから 頑張る






お腹に回した両手の
片方を先生は握った






「……、貴女はいい生徒じゃないですね。瑠璃子さん、」





私の指に 先生の指が
絡まるのがわかった






< 76 / 370 >

この作品をシェア

pagetop