ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「へぇ… あ、俺このヒト見たことある。シャンプーの宣伝かなんかで。♪指どおりぃなめらかぁ~」


 写真に目をやりながら、懐かしいCMソングを思わず口ずさんだ。


「お前、暇なの?」


 30メガネは呆れ顔。


「失礼な! んな訳ないでございましょーがぁ!!」


「敬語の使い方、とんでもなく間違ってるけどまぁいいや。死因はおそらく胸部を刃物でブッ刺されたことによる失血死。容疑者は今朝自主してきた東郷組の使いっ走り、廣田和樹。『あんまり綺麗だから一発やってみたかった。バレるのが恐くて殺した。』ってのが犯行動機だそうだ。自首については『オヤジに殺されると思って自首した』と言ってる。どう思う?」


 どうって、俺に聞かれても…


「露子から体液は?」


「出た。DNA鑑定で99.9%廣田のものと一致した。」


「廣田は死体愛好家か?」


「さぁ… 何でだ?」


「写真じゃ乳全開になってるけど、はだけられたブラウスの両側に血がベッタリ。これ、胸グッサリやられた時に付着したんじゃね? ボタン掛けたらこの血痕繋がりそうだし…。」


「言われてみると、そうだな。」


 30メガネは、俺が指差した写真を覗き込む。


 顔が近いぜ、メガネくん、ちょっと不快。


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