ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】


 という訳で…


 兄貴が現在一般市民として潜伏(かなり無理があるが…)しているという、苺農園へ俺はやって来た。


 新幹線と電車とバスを乗り継いで、ようやく辿り着くような、ド田舎。


 しかも、バスは1時間に一本とか… あり得ない、何? この過疎地。


 バス停からの、延々続く田んぼ道、奇跡的に人間に遭遇したと思えば、例外なく老人だし。


 よほど若者が珍しいらしく、彼らは俺とすれ違うと必ず立ち止まり、俺を目で追うように振り返る。


 そしてどんなに遠ざかっても、飽くことなく俺を見詰め続けるのだ。


 年寄りって暇だね。


 兄貴はとんでもなく退屈そうなこの町で、婚約者と甘々同棲生活を送っているらしい。


 あの冷徹な兄貴が甘々同棲生活って… なんとも気色悪い。


 ゲロ袋、用意しておくんだったと、今更ながら後悔。


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