君まで2ステップ
Epilogue
あの日から1ヶ月が経った3月14日。

日曜だというのに、俺は柔道の試合。


「はぁ…。」

「どうしたのよ、晴輝?
今日は試合なんだからもっと気合入れないと負けちゃうわよ?」

「試合とは別なことで悩んでるんじゃないかな。だろう、晴輝?」

「悩んでねぇよ。
じゃ、行ってくる。」

「行ってらっしゃい!!っていうかあたしも陽もあとで応援しに行くからね!!」

「来なくていい。」


ガチャン…



「もうっ…素直じゃないんだから…。」

「そうだね。
でも…晴輝なんかよりもっと素直じゃない子が、晴輝の悩みの種だし…。」

「え?」

「…なかなか言ってはくれなさそうだなぁ…梨亜は。」

「何て?」

「『晴輝のことが好き。』だなんて、梨亜のプライドが許さないだろうね。」

「ぷっ…確かに…。」

「だけど…そろそろ言ってあげてほしいところだけど。
特に今日は…ね。」

「ホントホント。
あんだけ元気ないと、1回戦負けしちゃうわよ。」


< 174 / 200 >

この作品をシェア

pagetop