君まで2ステップ
だけど…
その手はいとも簡単に掴まれる。


「え…?」

「俺の制服、濡れてるから触んない方がいい。
ただでさえ寒いんだろ?」


掴まれたその手が妙に優しくて、体中が一気に熱くなる。
なんなの…コレ…?

わけが分からなくなって、じっと晴輝の手を見つめた。


「あ、悪ぃ。痛かった?んな強く掴んだつもりはねぇんだけど…。」

「あ、違う違う!!大丈夫!!」


パッと解放されるあたしの腕。


「いいから早く羽織っておけよ。
マジで風邪ひくぞ?」

「分かってるってば!!」


あたしは晴輝のカーディガンを羽織った。
ってちょっと…コレ…。


「でかい…んですけど…。」

「は?んなことで文句言うなよ。
お前にぴったりなサイズなわけないだろ?」

「それは…まぁ…。」



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