空に叫ぶ愛
教室に人が増えて来て本来の雰囲気に戻って来た頃。
若菜と翔が一緒に教室に入って来た。
「愛ちん、おはよう」
「おはよーっ。…あれ?空は?」
「おはよ。空は……置いてきた」
私がふざけた感じにそう言うと若菜も翔も笑ってくれた。
「空ドンマイ!」
「誰がドンマイやって」
え?空?
そこには息を切らした汗だくの空が、まるで「不機嫌です」と言いそうな顔で立っていた。
金髪の髪が汗で額にくっついてる。
そこにドキドキしてる場合じゃない。
怒…って、る?
思わず苦笑いを浮かべる私。
「愛?ワケを聞かせてもらおうか?」