空に叫ぶ愛
「それに、愛ちゃんが言ったやん?口は想いを伝えるためにあるって」



あ……そうだ。


私の馬鹿。おばあちゃんに言われた大切なこと、忘れてどうすんのよ。


吉村に私が偉そうに言ったんじゃない。



───…私…何か、大切なこと忘れてる?




「じゃあ、先に戻るけん。落ち着いたら来ぃ?」


「うん。ありがと…」




翔の逞しい背中を見送る。

翔の好感度、上がったかも……



それにしても、どうしよう。


口にしないと私の気持ちは伝わらない。


だけど、果たしてこの気持ちは伝えてもいいものなのだろうか……?


今さら、迷惑じゃないの?


若菜のこともあるし。


私はどうすればいいの……?
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