空に叫ぶ愛
私はどうすればいいかわからず、無意識に握っていた手を離していた。



「どうしよ……」



若菜の声が可哀想なぐらい震えている。


切ない。



「先生が、好きやん……」



若菜がスカートをギュッと握り締めた。



「めちゃくちゃ好きやん……いつの間に?愛ちん、教えて……」



顔をぐしゃぐしゃにして泣く若菜に、どんな言葉をかければいいのか。


わからない私は若菜の頭を撫でてあげることしかできない。



無力で

何もできなくて


……ごめんね。




「恋に壁はつきものだよ?私も一緒に頑張るから……頑張ろ?」


「…うん……」




〝恋に壁はつきもの〟


その壁が私の前にも立ちはだかるとは露知らず。私は若菜の頭を撫でていた。
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