空に叫ぶ愛
「愛ちゃん」


「篠山さん……」



空と翔は私達に気をきかせてか、離れたところへ行った。


まだまだ体育館はうるさい。



「ごめん……」


「ううん、いいよ。誤解されるようなことをした私も悪いんだし……」



どこからやって来たのか。
微量の風が私の髪を揺らした。


私が笑うと篠山さんも笑う。



「じゃあ」



そう言って私は空達のところに向かう。


空と翔は笑顔で私を受け入れる。



───全てを懸けて。



手放したくないもの。

守りたいもの。



私にはふたつある。



翔と若菜、2人の友達と

空という、たった1人の恋人。



ただ、君だけを愛したいと。


愛していこうと誓った

15才の夏の終わり……───。
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