空に叫ぶ愛


「じゃ、俺は戻るよ。何かあったら言ってね。光の速さで飛んで来るから」


「ありがとう…」



半分苦笑いしながら、病室を出て行く先生に言った。


光の速さって……



「いい先生やね。水島先生って…」



先生の残像を見ながら空が呟いた。



「うん」



そうだね。


だからあの時。私が死にたいって思った時、保健室に行ったのかもしれない。


先生がいた保健室に。



───♪~♪~♪~



その時、ポケットの中にある携帯の着信音が鳴った。


誰だろ……


携帯を画面を見て、私は固まった。


なんで……

今さら……



お母さんが電話なんて……?
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