空に叫ぶ愛
「愛……福岡のおばあちゃんのトコ行かないか?」



え?


お父さんが苦笑いしながら私に言ったんだっけ。



「環境を変えれば愛も学校に行けるようになるだろ?」



あぁ、そうか。

私は見捨てられたのか。


お母さんもお父さんも。



───…私なんかいらないんだね。



「母さんと考えたんだ。愛のためにもそうした方がいいって……」



嘘ばっか……

私のことなんか考えてないくせに。


正直に言いなよ。


愛なんていらないからだって。


愛は面倒だからおばあちゃんのところに行けって言ってるんだって。



本当のこと言いなよ。

いい親ぶらないでさ。


私のこと考えているふりなんてしないで。


本当は、私のことなんて何一つわかってないんだから。


わかるはずも、ない。
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