空に叫ぶ愛
俺と違って……



「聞かな、わからんやん?」


「聞く勇気ない……」



愛の気持ち、めっちゃわかる。


でも、やっぱり俺とはだいぶ違う。



「俺は間違いなく嫌われとうよ?」



───…あぁ、やばい。



「どうしても、どうやっても。母さんも父さんも俺を見てくれん……」



カッコ悪いぐらいに声が震える。



「俺は"大好きな海を殺したやつ"としか見られてないけん……」



悲しくて。

悔しくて。


どうしようもなく、寂しくて。


俺はSOSを出した。



「髪を、こげん染めとうのに……」



かまってくれんかった。
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