空に叫ぶ愛
「今じゃ家にもろくに帰って来んし。会っても目も合わんし……」



もう、こうなったら苦笑しか出ない。


親に見放された俺に〝家族〟という言葉はあまりに残酷だ。


愛には家族がある。

愛のことを想ってくれる両親がおる。


……それだけじゃダメなん?


大きなお世話、とか。
親の心配がウザい、とか。


幸せなことやと、俺は思うよ。


俺は、してほしくても
してもらえんやったけん……。



「愛も本当はわかっとうやろ?」


「………」


「愛されとうか、愛されてないかぐらい」



わかる、はず。


ただ素直になれてないだけなんよ。



「距離をつくったのは……愛の方やないん?」
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