空に叫ぶ愛
知らなかった。

そんなこと知らなかったよ。


露になった親心は私の涙腺をめちゃくちゃに刺激した。


子供のように泣く私の肩に優しい温もりが触れる。


お母さん……



「辛かったでしょ?よく、頑張ったね」



そして、ギュッとお母さんが私を抱き締めてくれた。


待ってた。

ずっと、待ってた。


こうして抱き締めてくれるのを。


愛されているって実感したかった。


〝ここにいていいんだよ〟

〝愛してるよ〟


って、誰よりもお母さん達に言ってほしかったの。



「うぅっ……お母さんっ……」



お父さんが私とお母さん二人を囲むように抱き締める。



「お誕生日おめでとう、愛……」


「お父さ、ん……大好きっ…!」



私、お母さんとお父さんの子供で本当によかった!


生まれて来て、

生きていて、


本当に本当に、よかった。



「父さんと母さんの子供に生まれて来てくれて、ありがとな。愛……」



すごく、幸せ……
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