空に叫ぶ愛
私の笑い方で?

私の笑い方で何かあったのかわかるの?

そこまで私を見てくれていたの?


おばあちゃん…



「ありがとう……」


でも。


「大丈夫だよ」



おばあちゃんには心配かけたくない。



「話さんと愛の苦しさも悲しみも誰にも伝わらんよ?愛の心は愛本人にしかわらんのやけんね?」



私の心は私にしか…

わからない…?



「何のために口があると思っとるん?何のために耳があると思っとうと?」



おばあちゃんは私の手を握る。温かく包み込むように優しく。



「口は気持ちを心のままに伝えるためにあって、耳はそれを訊いてあげるためにあるんよ?」



グッと涙が込み上げて来る。
私は必死にそれを流さないようにした。



「言葉はたくさん力を持ってるんやけんね?愛は愛らしい言葉で心に訴え続ければ、いつか、絶対!相手の心に届くけん」



おばあちゃんはそれだけ言うと部屋を後にした。
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