珍・鶴の恩返し

はばたき

その晩のことである。


鶴子:あたしは今日もハタをおります。一つだけお願いがあります

バーさん:大丈夫じゃ。決して部屋を覗いたりはせん。ジーさんじゃあるまいし

鶴子:話が早くて助かるわ


こうして、鶴子はその夜も、また次の夜もハタを織り続けた。

ジーさんとバーさんも決して覗こうとはしない。

というか、すでに正体を知っているからである(ガビーン!!)


それから、また何日かたった夜のことである


鶴子:おかしいわ・・・何かおかしい・・・そろそろ覗いてもいい頃なのに・・・


鶴子は神様にお願いして、人間の姿になっているのである。

もちろん、それにはタイムリミットもある


鶴子:あたしが鶴でいられるのも、あと3日・・・なんとか覗かせないと・・・(ゴーン!!)


こうして、鶴子は、何かいい方法がないかと考えた。そして、ある考えにたどり着いた


それは、人間の心理をつく巧妙な方法であった
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