人こそ芸術 part1

一人、リビングで白い小箱を眺めウイスキーを飲みながら思う。

僕だけの為に展示された作品は全部で9体。

小山るうが最新作だが、最後の作品になるかもしれない。

栞と暮らすようになれば、地下室に美しい女を招待する事は不可能に近い。

たとえ栞が家に居なくとも、何処で誰が見ているか判からない。

だが栞と結婚すれば自然と僕の中でコレクションになる。

10体目のコレクションは生きた栞。

11体目は生まれてくる赤ちゃん。

それでいいのかもしれない。

僕が今まで9回も繰り返した事は決して許される事ではない。

世間に発覚すれば死刑は確実だ。

「はぁ・・・」

酒臭いため息をついて、白い小箱を静かに開ける。

中にはシンプルなデザインのシルバーリングが美しく輝いていた。

明日から忙しくなる。

スリムな体でウエディングドレスを着たい、と言う栞の要望でお腹が大きくならない内に結婚式を挙げる事になった。

結婚式場やウエディングドレスを決めたり、婚姻届を出さなければならない。

その他にも沢山ある。

でも何より先に僕の両親に栞を紹介しなくては。

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