君しか....


「…迎えに来いよ、桜庭。これでも怯えてんだからな…主人様の命令なんだからな…」
「お嬢様、分かってますよ。命に変えてでも。」
「じゃ、ハグして?」
「…帰ってきたら息が止まる程ハグしてキスして襲ってあげるから。」


極上のスマイルで美桜に話す大翔を見て俺は、感心した。
絵梨のようにボロボロになって帰ってくるかもしれない。
それは、大翔もわかってるはずなのに…。


「じゃ」


ーカツカツ


俺の横を通る美桜の腕を掴んだ。


「へ?」
「必ず守るから…」
「…うん!!」


笑顔で頷く美桜の後ろ姿を見送るしかなかった。


< 106 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop