愛しいわがまま。

まばたきを繰り返すのは
遥の意識がハッキリした証。



「おはよ」

「…はよ」


上半身を起こす遥を見て、
私も立ち上がろうと体を離す。



「早く準備…って、わっ!」


腕を掴まれベッドへ引っ張り込まれる。




視界は遥の胸板。
私は抱きまくら状態だ。

呼吸すれば大好きな香りだけが私に入り込む。


「――…」

私のうるさい心音に遥が気付かないことを祈る。




………てか。


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