With ~一緒に~

傾きかけた太陽がやわらかい日差しをふりそそいでいて、


中庭には静かで穏やかだった。



真崎君はポケットからケータイを取り出した。


かすかに、聞き覚えのある音楽が聞こえてきた。


「あ」


またあのメロディー。


『宇宙大バトル』だ。




「あんなに人気のあった生徒会長も、選挙に負けちゃうと寂しいものね……」


「そうだな」


凛子のつぶやきに航君があいづちを打った。

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