With ~一緒に~

「将吾、ありがとう……

ずっと怖かったんだ。
見つかるんじゃないかって。

でも、やめようと思ってもやめられなくなって、
そうなってからは、早く誰かに見つけてもらいたかった。

将吾でよかった。

金は、必ず返す。
すぐには無理だろうけど、
でも必ず返すから」


真崎君は、そう言うと、すっきりした表情で立ち上がった。


片岡君もゆっくり立ち上がった。


「先生のところに行ってくる。
将吾、迷惑かけた。
ごめん。
ありがとう」


真崎君はそう言って教室を出て行こうとした。

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