恋の種
「そんな顔で俺を見んな」
「え…」
「好きでもねぇ男にんな顔すんなよっ、マジでヤルよ?」
甘いキスのあとの、冷たい言葉
「じっ自分だって、好きでもないくせにこんなことしないでよっ」
自由になった腕で、悠登を突き飛ばし部屋を出た
嫌い嫌い悠登なんか大っきらい
体が熱い、さっきまで触れてた唇が熱い
何でこんなこと…
悠登にとってはなんともなくても私にとっては…大事な
初めてのキスも
初めての深いキスも
悠登に…
「悠登の…バカ」
唇を指で押さえながら、暗くなった部屋をずっと見ていた。