六年一組、本紛失事件
「飛騨がやりたいのはわかっているよ」

 ここで負けるわけにはいかない子吉沢も必死だ。

「そんなのやりたいわけないでしょ! 子吉沢君がやりたいんでしょ! バカ!」

「僕は推薦もされていないので、やるわけないだろう!」

「推薦なら私がしてあげるからやりなさい!」

 と、子吉沢と慶子のやりとりに応戦してきたのはひとみである。

「飛騨と渋革の推薦では学級委員になるわけないだろう!」

「推薦なんて、どうでもいいでしょ。自分から立候補すればいいでしょ!」

 ひとみは強気である。

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