俺様保健医の甘い罠《fin.》


まかせてと胸を張る美香さんは、ウチにニコリと笑いかけた。



これは……天使の微笑み!



なのに久世は悪魔……。



天使と悪魔の兄妹や…。



「じゃあ、俺帰るから」


「えー!」


「また来る」


「本当?その時は、冬姫ちゃんも来てね」



パァッと顔を輝かせたお母様は、ウチを見て微笑んだ。



「はい」



玄関まで見送りに来てくれた美香さんとお母様。



名残惜しいけど、暗くなる空に後押しされるように、賑やかだった久世家を後にした。


< 104 / 162 >

この作品をシェア

pagetop