俺様保健医の甘い罠《fin.》

俺様保健医



誕生日って昔から楽しみの一つやった。



絶対自分の誕生日は忘れんかったし、一週間前からみんなにアピールしまくっとった。



プレゼントなんて遠慮もなしに、欲しいもんばっか並べたくったり……。



でも、誕生日が楽しみだったのは、みんながウチを見てくれるからだったんかもしれん。



『気にしなくなったら、冬姫が愛されてると感じられてるからだな』



そうお父さんが寂しげな顔で言っとったんは、今も覚えてる――…。





「おーいしーぃ!」



昨日と変わらん豪華なご馳走が、所狭しと並べられとって、どれから手を付けようか迷うてしまいそう。



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