俺様保健医の甘い罠《fin.》
少しも笑わない久世。
「冬姫」
「な、なに?」
「フッ…。緊張してんのか?」
「そら、まぁ…」
口端を上げて笑うと、ウチの頭をポンポンと叩いた。
近くのテーブルに置かれていたケーキを皿に取ると、ウチに渡してきた。
「食べろ」
「ええの?」
「あぁ」
「ありがとう」
微笑む久世に笑い返して、ケーキを食べる。
ん~~っ!!
むちゃ美味しい!!!!
「京夜さんっ、あちらでお父様が待ってますの!!」
必死に久世の気を引こうとしてんのが、ウチにでもわかった。