俺様保健医の甘い罠《fin.》
ふてくされながら淡いベージュのサロペに着替えて、かごバックを片手にキョウを抱っこして部屋を出た。
久世は既に玄関でキョウのゲージを持って待っとった。
「遅ぇ」
すいませんね!
そんなに美香さんに会いたいなら、1人でキョウ預けに行ったらええやんか!
怒りを隠しきれないまま、白のパンプスを履いた。
パーティーの時に乗った黒い車がまた迎えに来てて、何の躊躇いもナシにそれに乗り込んだ。
久世は「何怒ってんだ」って半ば呆れ気味に聞いてきて、
「別に!」
って答えてばっか。