夢を求めて
沈黙の後、構内医は確認するようにリコに言った

「水泳していること病院には言ってるのよね?あと病気のことコーチには話してるのよね?」
「・・・」

リコは聞かれたことに答えることができず俯いた

「言ってないの?」

リコの無言の回答

それは”無許可”を意味している

「コーチにはともかく、病院の方には話さないと悪くなってから困るのはあなたよ」

諭すように話す構内医

リコは俯いたまま顔を上げることができないでいた

「この大会が終わるまででいいんです 黙っててください」

リコが小さく懇願した言葉は校内医には届かなかった

「何事もルールが大事よ コーチには私のほうから話しておく 病院には自分で言いに行きなさい 大会の書類は病院で書いてもらって」

校内医はリコを突き放すように言うと棚の整理を始めた

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