ヤンキー君のお隣に♪<完結>

☆鈴原琴音Side


――――



「茉奈、好きだよ」




「私も」




私たちは互いを求めるように抱き合った。



そして2人の唇が静かに重なった。




<完>


―――――――


















「何?何?鈴原ちゃん、また書いてるの?」



「そう、ようやく完結。全然、納得いってないけど」




「恋愛小説って案外、難しいよね~やっぱり自分の経験談が軸になることも多いし」




「うん」




私の通う学校は私立の女子校だから、新しい恋なんていうのは見つけるほうが難しい。おまけに事故にあってから、過保護な両親に送り迎えしてもらう日々が続いているため、男性とふれあう機会も減っていた。



…そういうわけで私は高倉君以外の男子に恋したことがない=良い小説が書けないのだ。





「っていうか、もうすぐバレンタインじゃん。今年も本命なしかー」




親友の美加はそう言いながら机に顔を伏せた。



「大丈夫、友チョコがあるじゃん!」



そう言っても効果は0。深いため息をつかれてしまった。



そりゃそうか。友チョコは誰でもあげてるけど、本命をあげる人ってなんだか格別な感じがするし。




「美加、あと一年、JKでいられるんだからきっと彼氏できるよ」



「う…ん」


力のない返事が返ってきた。


まぁ、私もできる自信はないけど…



……


「じゃあさ!」



私はシャーペンを握った。



「今度は美加を主人公にした恋愛小説書くよ」



「ありがとう!鈴原ちゃん、私を主人公にしたら絶対文学賞とかとれちゃうよ」



美加の目がキラキラと輝いた。



全く、その自信はどこからくるのかしら?

そう思いながら、私はシャーペンを握る手に更に力をこめた。




――

――――


作者から



はい、この話は鈴原琴音の名前を借りながらも、作者の実情を語っています。



バレンタインが憂鬱で仕方ない今日この頃…。


皆さんは素敵なバレンタインをお過ごし下さい。


作者は友チョコ作り、頑張ります…



ではでは次は中村先生Sideです。



念のため

※JK=女子高生

です。(馬鹿にしてるわけではありません、念のため…です)

< 615 / 627 >

この作品をシェア

pagetop