君と一緒に幸せを探して。
「「ひ、雛──。」」


俺は叫んだ。


周りの視線なんて気にしない。


俺は雛...お前だけいてくれたらいい。


「す、すいません。アメリカ行きの便は....。」


「お客様落ち着いてください。アメリカ行きの便はたった今、出発しました。」


────────────────────


俺はもう何もかも無くなった。


ただ。楽しい想い出が頭の中で蘇るだけ。


もう..お前はいない。


“雛”と呼べる存在はもう無い。


「「うわ──っ」」


俺は泣きじゃくることしかなかった。


空が夕日に染まる頃。俺の...雛との恋は幕を下ろした。
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