涙の枯れる頃




だって、あたしはいつも、
イジメられてる方だったから。


だから、目の前で泣き崩れている女の気持ち。
……痛い程、分かる。


見て見ぬふりをしてる人達が、憎らしい。


でも。
その人達も、自分の事を守るのが精いっぱいで、他は目に入らないんだ。

……毎日が孤独で、辛かった。

誰も、あたしに手を差し伸べて来なかった。


そう。
あたしはいつも。


……一人だった。


気づくと、泣き崩れてる女の前に、立っていた。


「何ぃ~?? アンタ誰ぇ?」

女達は笑いを止め、
あたしを舐めるように見てきた。

前、私をイジメてた人達と、同じ分類。


アンタ達みたいな人。
大っ嫌いなの。

……分かるでしょ?


あたしは女達から、女に視線を移した。


「…立てる? ケガない??」

女は驚いた顔をして、震えながらあたしを見た。




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