涙の枯れる頃


「…大丈夫、じゃ無さそうだね」
男は可愛い笑みを浮かべて、私の手を取り、引き上げた

一瞬、ときめいたのは、気のせいにしておこう。

「んー。体育館にシャワー室があると思うから、シャワー、浴びてこようか。
流石にこのままじゃ、ダメだよね~!!!」

それは、ありがたい……ケド。
「着替えが………」
「ああ!!大丈夫。
俺のロンTとズボン、貸してあげるよ」
「え……でも…」
「いいから。遠慮すんなって!!」

……。
初めて会った人にここまでしてくれるなんて…。

「…ありがと」

私は、男の言葉に甘える事にした。
男はクスリっと笑って、体育館まで、連れてきてくれた

「んじゃ、着替え取ってくるから。君は入っといて。出来るだけ、早く来るから」
……優しい人。
きっと、女だったらモテモテなんだろうな。……男でも、モテてるんじゃん?!
…いや。絶対モテてるな。

私は男に言われた通りに、シャワーを浴びた
ここのシャワー室には、シャンプーや、リンスなど、ボディソープなどもあった。

私は全部終えると、タオルで体を包んだ

「あの~…」
話かけても、返事が無い。

…聞こえ無いのかな?

私は、シャワー室のドアを少し開けて、顔を覗かせた

……いない。
まだ、男は来てなかった。



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