MAIL


真奈美を家まで送って俺はやつらの溜まり場に行った

タバコのにおいがむせ返るその部屋はタバコの煙で白かった

「よー圭矢やないか  元気やったか お前最近女よこさんのう」

その中で一番権力のある竜崎さんが声をかけてきた

この竜崎さんは俺が施設を出て一人であれていた頃知り合った暴力団で

ずっと兄のように接してきた人物

今まで女をだます事は当たり前のように思ってきていた

でも今なら竜崎さん達がしてきたことがどんなに悪だったのかよくわかる

「竜崎さん 俺… この仕事から足を洗いたいです」

皆が飲んでいた酒やタバコをとめて注目する

いきがりのシゲが

「何ぬかしどんねん」

とむなぐらをつかんだのを竜崎さんが制止して言った

「何でや?」

竜崎さんが落ち着いた口調で言いながらタバコの火を灰皿で消した

シンと静まり返る中

「すみません」

としか言えなかった

「お前もこの世界長かったら簡単に抜け出せん事くらいしっとるやろ?」

今まで半殺しにあったやつを知っている

その覚悟はしてきた

「月100万取れる女と交換で抜けさせたるわ」

周りのやつらがざわざわしだす

「圭矢お前に話があるからちょいこっち来いや」

竜崎さんが俺を別室に連れ込んだ

竜崎さんと二人きりの沈黙が流れる

竜崎さんがタバコに火をつけながら落ち着いた口調で

「何でや?」

と同じ事を訪ねてきた

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