不器用な君等の唄へ


「野田妃芽。」

「はい。」

あ、ヤギさんの彼女。

「矢祇流星。」

「はーい。」

ふざけたように伸ばすヤギさんに、先生は苦笑。

「佐々木紘波。」

「はい。」

ちょっと緊張しているみたいな佐々木さん。

「雪比良栄。」

「はい。」

どうにか間に合ったらしい雪比良先輩。

「音宮透子。」

「…はい。」

そんな雪比良先輩に笑いをこらえている音宮先輩。

「以上、卒業生…。」

すすり泣くような声が聞こえる。

死んでしまうわけじゃない。

でも、日常と化していたその一部が今、もう手に出来なくなっていく。



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