ありがとう、先輩。
入学式

明音 side

あたしの名前は松井 明音。  (まつい あかね)


猛勉強の末にこの高校に無事に入学することが出来た。



あたしがこの高校に入学したかったのは、ちゃんとした理由がある。






ダイスキでダイスキで仕方ないあの人がいるから・・・


今日もやっぱりカッコイイ。



あたしの初恋の相手。





村沢   彼方センパイ。


もともとおなじ中学の出身ってことで、部活も同じだったから可愛がってもらっていた。



あたしたちは陸上部で、毎日必死に練習していた。



コーチはとっても厳しい人だったから、もちろん練習もハードで。



自分のことにいっぱいいっぱいで、他の部員を気にしている余裕なんてなかった。



それでも彼方先輩は入ったばかりのあたしたち1年生に声をかけて、励ましてくれた。




その優しい性格とあったかい笑顔にむねがキュンってした感覚を、あたしは今でも覚えている。



そんなことを考えながらゆっくりと歩いていく。



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