知らなかった僕の顔
猛暑の中を30分ほど歩いてやっと着いた森若ちゃんの部屋は、良く言えばシンプルで、逆に言えば何もない部屋だった。


彼女が言っていたように、テレビすらない部屋に僕は少し戸惑った。


電子レンジと冷蔵庫とベッドと小さな丸テーブル、それから電話があった。


電話には赤いランプが点滅し、留守番メッセージが入っていることを知らせていた。


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