奈良の都の妖しい話

永久に誓うこと

「あっ…まだあった…!」

「本当ですね。…何だか懐かしいな…。」

「ええ。…来年、花が咲いたらここに来よう、黒矢。」

「はい。…姫。」

「ん?…!」

黒矢は美羽子を抱き寄せた。

「黒矢…?」

「こうやって…この木の下で貴女を腕に抱ける日が来るとは…あの頃は思っていませんでした…。」

< 219 / 291 >

この作品をシェア

pagetop