奈良の都の妖しい話
(…とうとう…この時がきた…。)

白華は桃泉に口づけした。

「……。」

「……。…桃泉…?」

(震えてる…。)

「…怖いか…?」

「っ!…そんなわけっ…」

「…無理しなくて良いんだぞ。」

「…無理なんて…してないから。」

桃泉はそう言うと、白華に飛び付くように抱きついた。

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