奈良の都の妖しい話
そのせいであろう。彼女は前方を歩く人に気付かずにいた。

「わっ!」

「きゃ!…も、申し訳…」

「美羽子!?」

「えっ!?」

(ま、まさか…!?)

美羽子はぶつかりそうになった相手の顔を見ようとしたが、その相手に抱えられ、近くの部屋に入った。

「!」

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