奈良の都の妖しい話
(大丈夫なのかしら…この先…。)












「………あ…夜が明けたのね…。」

「…妃?もう起きたのか。」

「あ…お起こしてしまいましたか…。」

「いや…。」

「…。」

(何か、気まずい…はやく顔を洗おう。)

「妃、少し側に…。」

「え?」

(………!)

「……誰ぞ手水の用意を。」
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