【短編】Little Kiss Magic 2~秘密と嫉妬~
Side 廉
僕が予言したとおり僕たちは同じクラスになった。

新学期は出席簿の順番に席が配置されている為『秋山香織』と『浅井廉』は必然的にまた隣同士の席になった。

新しいクラスで新しい顔ぶれであるにもかかわらず、人気のある香織の席はあっという間にクラスメイトで取り囲まれ、僕の隣りの席は瞬く間ににぎやかになった。
香織はニッコリと笑うと、その状況をすんなり受け入れすぐに新しい環境に馴染んでいく。

それに比べて僕は、相変わらず無口で誰かと会話を交わすことも無く、にぎやかな隣りの席から意識を遠ざけるように窓から校庭を彩る桜並木を眺めてぼんやりと考え事をしていた。

朝の出来事がきっかけで僕は自分を変える決意をしていた。

両親の仕事の関係で幼い頃から外見だけで擦り寄ってくる人間関係をうんざりするほど見てきた僕は、いつの頃からか人と接するのが苦手になった。

身なりが良いなどの上辺だけで人を判断する中身のない大人にも、両親の顔色を伺い子どもの僕にさえ媚びてくるプライドの無い大人にも幻滅していた。

だから…自分を隠すようにわざと人と直接目を合わせなくてすむ瓶底の眼鏡をするようになった。

もともとお洒落になんて興味は無いけれど、人と距離を置くようになり、ますます身なりに構わなくなった。

だけど…香織を好きになって僕の中の気持ちも少しずつ変化して、今は彼女か恥ずかしくない程度に変わってもいいと思う。

香織は僕の外見では無く本当の僕自身を…僕の内面を好きになってくれた。


だから君を信じたいと思う。


僕の外見が変わってもきっと君の心は変わらないと…。



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